中庸への回帰

ベンチャーキャピタリスト/山家 創(やんべ そう)のブログです。

まずは、5年後に生き残る大学発ベンチャーを目指して

先日、文科省主催の『大学発ベンチャー創出シンポジウム』に参加してきた。
産業革新機構の志賀CEOをはじめ、大学発ベンチャー界隈では名だたる方々が登壇する、なかなか勉強になるシンポジウムであった。

シンポジウムの感想を含めて、簡単に「大学発ベンチャー」について少し調べたものをまとめたい。

大学発ベンチャーの事業環境

平成27年の経産省調査によれば、大学発ベンチャーは1,773社存在する。また、この内、黒字化しているベンチャーは55.6%に上る。
大学発ベンチャーの数、黒字化の比率いずれも前年を上回っている。ちなみに大学発ベンチャー数のピークは平成20年で1,807社だ。

現在はほぼピーク時の水準に達しており、既に900~1000社が黒字化していると言えよう。
47都道府県の各地に大学発ベンチャーが存在していると仮定(※)すれば、1都道府県あたり20社程度が既に黒字化しているということだ。
これは感覚的にかなり多いと思う。

※実際には東大発のベンチャーが圧倒的に多いので、あくまでも仮定の話だ

もう少し過去に遡れば、平成16年において黒字化した大学発ベンチャーの比率は26.6%であった。
およそ10年を掛けて研究開発、事業を行ってきた大学発ベンチャーが徐々に実を結んできたということであろう。

但し、本調査における「大学発ベンチャー」とは、

1. 研究成果ベンチャー:大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で
新規に設立されたベンチャー

2. 協同研究ベンチャー:創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と協同研究等を
行ったベンチャー

3. 技術移転ベンチャー:既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けたベンチャー

4. 学生ベンチャー:大学と深い関連のある学生ベンチャー

5. 関連ベンチャー:大学からの出資がある等その他、大学と深い関連のあるベンチャー

とあるから、全ての大学発ベンチャー = 研究開発型ベンチャーとは呼べないことに注意は必要だ。
例えば、東大の学生たちが起業したアプリ開発ベンチャー大学発ベンチャーと呼ばれ得る。
一般的な大学発ベンチャーの定義は、1. 研究成果ベンチャーだと思われるが、これがどの程度存在するのか気になるところだ。

大学発ベンチャーを支援する政策

大学発ベンチャーを支援する政策も充実してきた。
主立ったものをいくつか紹介する。

科学技術振興機構JST

大学発新事業創出プログラム(START)
  • プロジェクト支援型

1プロジェクトあたり基本額年間3千万円 x 3年以下

  • 事業プロモーター支援型

1事業プロモーターあたり原則上限年間2,500万円程度 x 5年度
※1事業プロモーターあたり4~5件程度

研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)

必ずしも大学発ベンチャーというものに限らないが、大学の研究成果を実用化するための技術移転支援制度だ。対象によっては最大で15億円をJSTが支援する。

新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO

こちらも大学発ベンチャーには限らないものの、研究開発型ベンチャーという広いくくりで支援する制度だ。

中堅・中小企業への橋渡し研究開発促進事業

中小企業という枠組みでも大学等との共同開発が支援されている。

1億円以内(下限は1,500万円) ※事業期間中の総計

  • 実施項目2 追加実証・用途開拓研究支援事業-サンプルづくり支援事業-

1,000万円以内(下限は300万円)


これらに限らず、各地方自治体等でもベンチャーへの助成事業は活発化している。

大学発ベンチャーを支援するVC

上述したNEDOの「シード期の研究開発型ベンチャーに対する事業化支援」で定められる認定VCとして、現在のところ18社のVCが認定されている。
加えて、昨今では東大を始めとする「大学発VC」が生まれており、大阪大、京大、東北大を含む計4大学に計1,000億円という膨大な資金が流れている。

business.nikkeibp.co.jp

事業会社によるファンド(CVC:コーポレートベンチャ–キャピタル)のニュースもよく目にするが、これも自社の新規事業の種として、研究開発型ベンチャーに注目が集まっている一因であろう。

大学発ベンチャーは、いまバブルである

シンポジウムの感想について誤解を恐れずに言えば、

大学発ベンチャーは、いまバブルである

ということに尽きる。シンポジウムに参加したいくつかのVCの中には、従来は大学発ベンチャーとは遠いところに位置していたVCも含まれている。
彼らは、いまどこに資金が流れているかを肌感覚として持ち合わせているのだ。

ただし、冒頭の経産省調査で忘れてならないのは、平成26年から27年にかけて24社増えた大学発ベンチャーの内訳とは、平成27年以前に設立されたベンチャーで新たに認識された144社に平成27年新規設立の52社を足して、調査時に閉鎖が確認された172社を除いているということだ。
つまり、新たに生まれる以上の大学発ベンチャーが死んでいるのだ。

たしかに大学発ベンチャーはバブルであり、今後数年で見れば大学発ベンチャーは一時的に増えるかもしれないが、長期的には淘汰が進んでいくと見る方が自然だと思う。

そして、5年後に本物だけが生き残る。

これは大学発ベンチャーだけでなく、大学発ベンチャーに投資する私たちVCも、そうだ。
時代に流されすぎず、確かな眼と支援で、まずは5年後に生き残る大学発ベンチャー創出を目指したい。

ざっと「STEM」を知るなら『AI時代の人生戦略』と『日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術』

ベンチャーキャピタリストという仕事柄「STEM」は必須である。
今年の目標の一つも、この「STEM」の知見を増やすことだ。
そんな「STEM」をざっと知りたいときにオススメの二冊を紹介する。

STEMとは?

STEMとは、

  • サイエンス(科学)の「S」
  • テクノロジー(技術)の「T」
  • エンジニアリング(工学)の「E」
  • マセマティックス(数学)の「M」

を並べた造語である。
「技術」と「工学」の区別について、『AI時代の人生戦略』著者:成毛氏は"技術はツールをつくること、工学はそのツールを活かす方法"だと述べている。

日本に根付く「文系」と「理系」

私自身はSTEMという言葉を知っていたし、仕事柄「STEMは超大事」という実感をこれまでも持ってきた。裏を返せば、いわゆる「理系」への羨望があった。「文系」である自分へのコンプレックスというべきか。

日本には、この「文系」と「理系」という区別が根強い。これは日本の教育において、大きなマイナスであると思う。

例えば、大学を卒業して、社会に出て、営業という仕事に就くとする。
日本ではなぜかこの営業という仕事は、「文系の方が得意だ」という謎のレッテルが存在する。
文系でも営業が苦手な人はたくさんいるし、逆も然りだ。だけども「文系」と「理系」というカテゴリーに学生時代どっぷりと浸かることで、本来自分が好きなこと、得意なことを見失ってしまうのではないか。

そもそも、「文系」である経済学や経営学部は、「社会科学」という名の「サイエンス」なのだ。

とは言え、STEMをどう学ぶのか

「STEMは超大事」とは言え、30歳を過ぎて大学院で研究をするわけにもいかない。そこで大事なのは。成毛氏のいう「実感してから理解する」だと思う。

そもそも英語のスタディ(study)は、ラテン語のストゥディウム(studium)に由来している。その意味は「好奇心をもって没頭する」ということ。

実感すること、理解することには、楽しさが存在する。楽しく学ぶことが重要なのだ。

そこで浅く広く、今の世の中のトレンドとして技術を俯瞰するのに『日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術』は適している。内容が薄すぎると思う箇所も多々あるが、まずは100の技術を知るというスタンスだといい。

例えば、僕であれば、以下のような技術に興味をもった。

興味を持った技術について、より深堀する読書をすれば、それだけでも成長感があると思う。

有り難いことに、僕は仕事柄おおくの技術に触れる。それ故に、技術が社会にどう実装されるのか、実感を持ちやすい。
だけれども、その先に求められるのはSTEMを組み合わせて活用する手腕であり、思考回路だ。それはまた別の手段で身に付けねばならないだろう。

明日から憂鬱な飲み会がなくなるかもしれない『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』

「昔の友だちとなら本当の自分を出せるけど、会社は別だから」
「本当の自分を分かってくれるのは、家族だけ」
「別に新しい人と付き合わなくてもいいし」

人間関係で悩む人は多い。
なぜ、人間関係がうまくいかないのか?

「結局、あなたの心が冷めているからだ」

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ (新潮文庫)

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ (新潮文庫)

目次

本書は47のエピソードをもって、「あなたの心が冷めている」と指摘し、「誰でも必ずできる、しかし誰もができていないこと」を指南する。
妙に長いタイトルに対して、内容は非常にコンパクト。
目次を見るだけで、立ち読みしたい!と思ってしまうのではなかろうか。

第1章 冷めた心に火を灯せ

01なぜ、僕たちの心は冷めてしまうのか?
02 サンデル教授と松岡修造ではどちらが白熱しているか
03 性格は変えられないが、行動は変えられる
04 『クレヨンしんちゃん』と『ドラえもん』の劇場版に 涙するわけ
05 感情はコントロールできないが、 言葉はコントロールできる
06 僕たちが『ガンダム』『北斗の拳』『ワンピース』に 熱狂したわけ
07 阿吽の国、ニッポンでの生き方

第2章 ゼロから信頼を築く

08 人間を4種類に分けてみる
09 天才・凡人・中二病
10 人が人を認める瞬間
11距離を測る、距離を縮める
12 ガッカリの原因と処方箋
13 恋愛が長続きしないわけ
14 我が国におけるお酌文化
15 嫌いなアイツと仲良くできるのか?
16 他人を認めるというスキル
17最初のキッスと最後のキッス

第3章 人間関係で悩まない

18 役割が性格をつくる
19 「私は博士じゃ」と本物の博士は言わない
20 フグ田マスオ、そしてサザエさん症候群
21 チームプレイは合コンの中で覚えればいい
22 お見合い結婚の離婚率が低いわけ
23 お見合いおばちゃんの誘導尋問
24 「人見知り」「空気が読めない」の治し方
25「何でわかってくれないの?」を克服する
26 ツンデレとマインドコントロール
27 人の心は透視できるのか?

第4章 人を本気にさせてみろ

28 人が本気になる条件
29 お金で買える心、買えない心
30 アメアメアメアメムチアメ
31 仏様にあって、ナチスドイツになかったもの
32 自信のないあの子をやる気にさせる方法
33 家族みんなでモンスターハンター
34 ダチョウ倶楽部化する世界の中で僕たちができること
35 結局、企業で最後に生き残る人たち
36 いい子を育てようとするとひねくれる
37 安西先生という生き方

第5章 打たれ強くなれ

38 人の心を支えるもの
39 たたかう、まほう、まもる、アイテム、にげる
40欲求不満とネット炎上
41 記憶と宗教とディズニーとスタバ
42プーさんとブータン
43 カツラや整形が気になって仕方ないわけ
44 嫌悪感の正体
45行きたくない飲み会や立食会に 元気よく出かける方法
46 「感動」と「カンドー」論争
47「自分」という怪物の飼い慣らし方

結局、個性とかアイデンティティとかプライドっていらない

映画『es』のモデルとなった「スタンフォード監獄実験」では、看守役が暴力的、支配的となり、囚人役が暴動を起こし、結果的に実験からわずか1週間で中止になったと言われる。
エピソード18にもあるように、「人は役割を与えられるとその役割に応じた自分を演じようとする」のだ。

属する環境によって、人の役割は異なる。

結婚をすれば「夫」、子どもを授かれば「親」としての役割が与えられる。
社会に出て仕事を始めれば「ビジネスマン(サラリーマン)」、「部下(上司)」、「営業」などという役割。
昔ながらの「友人」としての役割、飲み会での「盛り上げ役」とか「まとめ役」。

誰もが何となく納得することだろうが、それぞれの役割によって「自分」は異なる。
これは別に良いとか悪いということではなくて、「そういうもん」なのだ。

だから、個性とかアイデンティティとかプライドにこだわり過ぎるよりも、多くの「自分」を楽しんでみればいいのだ。
というか、個性とかアイデンティティとかプライドなんてものは、実は自分が勝手に描いた「幻想」かもしれない。

本書を読めば、何となく肩の荷が下りて、「明日の飲み会やっぱり行こうかな」なんて思えるはずだ。

2017年の抱負と目標

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
今年最初のブログ更新は、2017年の抱負と目標についてです。

2017年の抱負

2017年は、より強く、大きくなるをテーマに、仕事にプライベートに邁進していきたいと思います。
武道の世界なんかでは「心・技・体」と言われますが、なかでも特に今年は「」と「」をもっと強く、大きくしていこうと。

2016年は、VCの仕事を始めて人と会う(ことに伴う出張の)回数が増えましたし、メンタルへのプレッシャーが増しています。
いつ潰れるか分からないようなベンチャー企業を見定めて投資をし、長い時間を掛けて成功に導いていくというのは、頭では分かっていながら、やはり相当なハードルの仕事です。

一方で最近思うのは、ベンチャー企業の経営者は、僕以上に命を懸けて仕事をしているということ。
やっぱり、経営者やベンチャー企業の役に立てるキャピタリストであるには、月並みな言い方をすれば、経営者にとって「頼もしい」とか「安心できる」キャピタリストであることが必要です。
これは「(何かに)詳しい」とか「いつも元気」とか、そういう小さいことの積み重ねでしか実現できない気がしていて、ならば今年は「より強く、大きくなろう」と考えたわけです。

2017年の目標

仕事

・シードに2件投資、昨年から注目している企業には絶対投資
・地方とのリレーションを強化(特に出身地の仙台、東北)
・投資先の取締役就任と黒字化
・投資先の大型資金調達
・ビビらず、遠慮せず、謙虚に
・たとえ苦手でも人に会う、話し掛ける

運動・健康

・筋トレを2日ずつ継続(インターバル1日)
フルマラソンでサブ4
トライアスロン準備
・飲み会はビール1杯、禁煙
・コーヒーは1日1杯

学習

・本は月5冊、年60冊が最低限
・毎日日記をつける
・週1回ブログ更新

家族

・妻の家事をサポート
・娘には世界で一番かわいいと伝え続ける

目標は言霊として

今日たまたま「言霊」という言葉を目にして、その大切さみたいなものを思い出したんです。

以前の僕も、VCの仕事がしたくて、とにかく色んな人に「VCをやりたい」「どうすればベンチャーキャピタリストになれるか」ということを言葉にして出してきました。それが言霊になった体験があります。

最近は少し忘れていました、言霊の力を。ちょっと大人しくなって、自分の中だけで消失していたかもしれません。

ベンチャーキャピタリストとして、父として、夫として、友として、男として、人として、

より強く、大きくなる

キャピタリスト必読書「ベンチャー企業の法務AtoZ(中央経済社)」

いまやベンチャー企業のための法務、税務会計などプロフェッショナル・サービスの第一人者の呼び声高いAZX Professionals Group。
そのAZXがベンチャー企業のための法務を分かりやすく、かつ網羅的に示した渾身の一冊です。ベンチャー・キャピタリスト必読書。


ベンチャー企業の法務AtoZ

ベンチャー企業の法務AtoZ


【目次】

第I章 ベンチャー法務戦略
第II章 会社設立時から気をつけるポイント
第III章 起業家が知っておきたい会社法の基本
第IV章 ビジネス上必要な文書の作成
第V章 資金調達,ファイナンスにあたっての注意点
第VI章 M&Aにおける重要事項
第VII章 労務管理の留意点
第VIII章 知的財産権の管理
第IX章 IPOに耐えうるコーポレートガバナンス

ポイント

第I章 ベンチャー法務戦略

第II章 会社設立時から気をつけるポイント

  • 創業株主間契約は意外とケアしていなかったので注意
  • 株式譲渡(買取)時の税務リスク
  • 実務上VCにとっては取締役会設置会社の方がガバナンス的に良い

第III章 起業家が知っておきたい会社法の基本

  • ストックオプションが放棄された際も登記を忘れずに
  • 株主総会が書面決議の場合でも議事録は必要
  • 法人税の確定申告は延長申請しておこう(定時株主総会での計算書類承認)
  • 取締役会議事録には出席取締役及び監査役の署名または記名押印が必要
  • ベンチャーの新株発行は総数引受方式が多い?申込割当のイメージだ
  • 現物出資の場合には裁判所による検査を避けること
  • 株式譲渡は、取締役会設置会社の場合は取締役会で承認
  • 株式譲渡承認請求は、理論上拒否できるものの、事実上拒否ができないケース
  • 役員へのストックオプションは、取締役会の報酬決議
  • 取締役の報酬減額は、本人の同意が無い限り株主総会でも決議できない(期中の税務リスクも注意)
  • 取締役は解任ではなく、辞任を促すことが得策(あるいは任期満了後再任しない)

第IV章 ビジネス上必要な文書の作成

  • 契約書レビューのコツとテクニック

第V章 資金調達,ファイナンスにあたっての注意点

  • 「知る限り」と「知り得る限り」
  • ドラッグ・アロング > タグ・アロング
  • 新株予約権社債(CB)の株式への転換条件

第VII章 労務管理の留意点

第VIII章 知的財産権の管理

自己分析

ブログを継続できない自分。。

久しぶりにブログを更新します。「一週間で3記事更新する」ことを目標にブログを開設してまだ三か月。。早くも挫折です。
昔から三日坊主というか、飽き性で自分に甘い性格なので、物事の継続性がありません。

これは自分の「性格」なのか?

世の中には、自己分析や性格分析の手法・ツールがたくさんあります。
僕自身はこういう自己分析が好きで、いくつか試してはログを残しています。いつ測定するかが結構影響するので、ログを残しているんですね。

そこで、これまでのログを参考に、自分って一体どんな人間なんだっけ?ということをまとめてみたいと思います。

ストレングス・ファインダー

非常に有名な分析です。新刊(古本はダメ!)を購入すると分析できます。

さあ、才能(じぶん)に目覚めよう―あなたの5つの強みを見出し、活かす

1. 収集心/Input

あなたは知りたがり屋です。あなたは物を収集します。あなたが収集するのは情報――言葉、事実、書籍、引用文――かもしれません。あるいは形のあるもの、例えば切手、野球カード、ぬいぐるみ、包装紙などかもしれません。集めるものが何であれ、あなたはそれに興味を引かれるから集めるのです。そしてあなたのような考え方の人は、いろいろなものに好奇心を覚えるのです。

2. コミュニケーション/Communication

あなたは説明すること、描写すること、進行役を務めること、人前で話すこと、書くことが好きです。これにはあなたのコミュニケーションという資質がよく現れています。アイデアはアイデアに過ぎません。事実は、その時々に起こったことに過ぎません。あなたは、それに命を吹き込み、活力を与え、刺激的で生き生きとしたものにしなければならないと感じます。そこであなたは、「単なる事実」を「物語」に転換させて、それを上手に語ります。単なる「アイデア」を取り上げ、イメージと具体例と比喩を使って生き生きとさせます。

3. 活発性/Activator

「いつ始めようか?」これはあなたの人生で繰り返される質問です。あなたは動き出したくてうずうずしています。分析が有用であるとか、ディベートや討論が貴重な洞察を生み出す場合があることをあなたは認めるかもしれませんが、心の奥深くでは、行動だけが有意義であると知っています。行動だけが何かを起こすことができるのです。行動だけが功績につながります。決断が下されると、あなたは行動を起こさずにはいられません。

4. 内省/Intellection

あなたは考えることが好きです。あなたは頭脳活動を好みます。あなたは脳を刺激し、縦横無尽に頭を働かせることが好きです。あなたが頭を働かせている方向は、例えば問題を解こうとしているのかもしれないし、アイデアを考え出そうとしているのかもしれないし、あるいは他の人の感情を理解しようとしているのかもしれません。何に集中しているかは、あなたの他の強みによるでしょう。

5. 着想/Ideation

あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか? 着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明できる考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を発見すると嬉しくなります。着想とは結びつきです。あなたのような考え方を持つ人は、いつも結びつきを探しています。見た目には共通点のない現象が、何となく繋がりがありそうだと、あなたは好奇心をかき立てられるのです。


このストレングス・ファインダーを試してみたのは、もう10年ほど前です。今測定したら違う結果になっているかもしれませんが、大きくは変わらない気がします。

ストレングス・ファインダーには、4つの資質群にカテゴライズされる34種類の強みがありますが、自分でも特徴的だなと思うのは、影響力(活発性、コミュニケーション)と戦略的思考力(収集心、着想、内省)のみで、実行力人間関係構築力の強みが上位5つの中で一つもないことです。

もちろん第六番目に人間関係構築力系の要素が来るかもしれませんが、基本的には多くの人・グループをまとめて、何かを実行するというのは得意ではありません。一人で行動する方が気楽だし向いているかなと思う瞬間はありますね。
北方水滸伝だと魯智深が好き。

MBTI

ユングのタイプ論を基にした性格診断で、こちらも有名な分析ツールです。私は、16Personalitiesで診断してみました。

ENFP / "広報運動家

これは結構バラつきがあるのですが、最初に測定されたのがENFPでした。
海外サイトですので解釈が正しくない可能性もありますが、およそ以下のような強み・弱みです。

強み

1.好奇心/Curious

開かれた世界に出て物事を経験することを好みます。

2.観察の鋭い/Observant

好奇心を満たすためには一瞬たりとも見逃しません。

3.熱意とエネルギー/Energetic and Enthusiastic

新たなつながりやアイディアを発見し共有することに情熱を燃やします。

4.優れたコミュニケーター/Excellent Communicators

高い対人スキルを有し、どんな会話も楽しむことが出来ます。

5.リラックス/Know How to Relax

何もしないことが時に価値を生みます。

6.人気者/Very Popular and Friendly

順応性とおおらかさで多くの人間を惹きつけます。


弱み

1.実行力不足/Poor Practical Skills

アイディアを出し、人を巻き込んだ後の運営が苦手。

2.細かい作業が苦手/Find it Difficult to Focus

ルーティンや管理運営から逃げがち。

3.考えすぎる/Overthink Things

物事の裏側を考えすぎる。

4.ストレス耐性が低い/Get Stressed Easily

特に他者の感情に敏感すぎる。

5.感情的になる/Highly Emotional

ストレスや批判にさらされると感情的になる。

6.管理を嫌う/Independent to a Fault

管理を嫌い、独立心が強すぎる。

ストレングス・ファインダーとかなり近い要素が測定されました。
弱みの「実行力不足」とか、まさにそうですね。

VIA-IS

ポジティブ心理学の権威が作られたツールです。こちらから無料で診断できます。ストレングス・ファインダーに似ていますが、面白いのは24の要素を上位から順に全て測定できるということです。特に下位を見ることは、逆説的に自分の強みを知ることに繋がるかもしれませんね。

トップ5つ

1. 愛情(愛し愛される力)

人との親密性、特に互いに共感し合ったり、思いやったりする関係に重きを置く。人と親しむ。

2. 誠実さ [真情、正直さ]

真実を語る。自分を誠実に語る。偽りなく存在する。自分の気持ちと行動に対して責任を持つ。誠実さを強みとするあなたは、正直な人であり、真実を語るだけではなく、純粋に、真心をもって人生を生きています。あなたは地に足が着いており、偽りのない、まさしく「誠実な」人間です。

3. 好奇心 [興味関心、新奇探索傾向、経験への積極性]

今起きているあらゆる経験それ自体に興味を持ち、主題やテーマに対して興味深いと感じる。探求心を発揮して新しいことを発見することを好む。好奇心を強みとするあなたは、何事にも好奇心を抱きます。常に問いを持ち、あらゆる主題やテーマについて興味深く感じます。あなたは探求と発見を好む人です。

4. 寛容さ/慈悲心

過ちを犯した人をゆるす。人にやり直すチャンスを与える。決して復讐心を持たない。寛容さ慈悲心を強みとするあなたは、自分に対して過ちを犯した人をゆるします。あなたはいつも人にやり直すチャンスを与える人です。あなたという人間を導く信条は慈愛であり、復讐心ではありません。

5. 向学心

新しいスキルや知識体系を身につけることは、独学でも正式な教育による場合でも明らかに好奇心の強みに関係しているが、好奇心の枠に留まらず、既知の知識についても体系的に理解を深める傾向がある。向学心を強みとするあなたは、授業でも、あるいは独学でも、新しいことを学ぶのが大好きです。あなたは学校や博物館あるいは読書など、いつでもどこでも学ぶ機会を得るのが大好きな人です。

ストレングス・ファインダーでは人間関係構築力系にカテゴライズされそうな要素が上位に出ました。
好奇心や向学心は、ストレングス・ファインダーとも共通しそうです。

ボトム5つ

20. 思慮深さ[慎重さ]

注意深く選択する。不必要なリスクは決してとらない。後悔するような言動はとらない。

21. 感謝

自分や周りに起こった良い出来事に目を向け、それに感謝する心を持つ。そして、感謝の気持ちを表す時間を持つ。

22. リーダーシップ(グループへの動機付けと調和の形成)

自分が属するグループが物事を達成できるように力づけると同時に、グループ内で良い人間関係が保たれるように尽力する。グループのメンバーが活動しやすいように支援し、実現できるように動く。

23. 自律心[自制心]

自分の気持ちや振る舞いをコントロールする。規律正しい。自分の食欲や感情をコントロールする。

24. 審美眼(美と卓越性に価値をおく)[畏敬、驚嘆、崇高]

人生のあらゆる領域、つまり自然から芸術、数学、科学、日常の経験に至るまで、そこに美や、卓越性、あるいは熟練の技を見出し、それらの真価を認める人。

かなり当てはまりますね。。感情はコントロール出来ているつもりですが、リーダーシップとか苦手ですね。

まとめ

僕の得意なこと

覚えやすいように3つに集約すると、

①新しいことを探索し、発見し、学ぶこと

キーワード:収集心、好奇心、向学心

②人に説明し、語り、愛と誠実さをもって接すること

キーワード:コミュニケーション、コミュニケーター、リラックス、順応性、愛情、誠実さ、寛容さ

③考えるだけでなく、行動すること、やってみること

キーワード:内省、着想、観察力、活発性、熱意、エネルギー


こんな感じでしょうか。なんか凄くいい感じにまとまりました(笑)

高校時代に、教師か精神科医を目指そうかなぁと思った時期があって、結局は「向いてないな」と思って違う道へ進むわけですが、なぜ向いてないかというと、そこまで自分は「利他」ではないと思ったからです。
いわゆる無償の愛のような懐の深さは自分にはなくて、もう少し「利己」の興味関心、ワクワク感みたいなものを追求していきたい。

この点は、上記3つに追加して自分自身に思うところです。

VCにどう活かすか?

誘導尋問でも何でもないのですが、僕の得意なことを見ていると、改めて今の仕事をやっていてよかったなぁと思いますね。
接するものは新しい技術や事業だらけですし、多くの経営者・技術者と関わりますし、コンサルタントのような分析で終わらないアクションまで関わる。利他であることが利己に繋がる。キャピタリストはリーダーというより一匹狼で(笑)
まさに自分の得意なことを活かせる環境だなと思います。

自分の強みを活かすというよりも、強化する方が大切だなと再認識しました。

・起業家や技術者に欠けているピースは、自分が補うべく学ぶ。
・もっともっと、好き嫌いせずに、色んな人に会いに行く、話かけてみる。
・コミュニケーションを越えた、起業家や技術者との人間関係を築く。

これらは決して資格を勉強すれば身に付くものではなくて、自らの意識と工夫で習得するものだろうと思います。
来年も頑張るぞー。

研究開発型ベンチャーこそプロモーションが重要という話。

「研究開発型ベンチャー」と聞いて、最初に思い浮かぶ会社はどこか?

こう聞かれて、さて皆さんは何と答えるでしょうか?

僕は、慶応義塾大発ベンチャーのスパイバー社を思い浮かべました。

www.spiber.jp

人工合成クモ糸を繊維として活用しようとする当社は、「THE NORTH FACE」ブランドで有名なゴールドウィン社と「MOON PARKA」を発表。最近では、LEXUSのコンセプトシートに人工合成クモ糸が採用されたと発表しましたね。

頭に浮かぶ = 「研究開発型」のイメージ

では、なぜ僕の頭にスパイバー社が思い浮かぶのか?

当社が優れた技術を持っているから。
当社の事業に成長性を感じるから。
当社の経営者がカリスマ的であるから。

僕にとってはどれも正解ではありません。僕の答えは「先進的でカッコいいから」です。ホームページを見れば、そのカッコ良さが分かります。

「研究開発型」もしくは「研究開発型ベンチャー」の定義はなんでしょうか。
おそらく、正確な定義は存在していません。
では、「研究開発」とはなにか。技術を生み出すプロセスですよね。
生み出すとは、つまり新しい(先進的)ということです。

「研究開発型ベンチャー」 = 新しい(先進的な)ベンチャー企業だと僕の脳みそがイメージして、そのイメージに一番近いのがスパイバー社だった。そんな感覚に近いと思うんです。

技術だけでは、仲間は集まらない

ベンチャー企業の課題は、突き詰めれば「リソース不足」です。例えば金銭的なリソースの不足を補う手段が、VCからの資金調達なわけですね。

リソース不足を補うには、ベンチャー企業だけではなくて仲間が必要です。
共同研究、販売提携、採用など、自社だけではない他社(他者)に仲間になってもらう必要がある。

では、ベンチャー企業の「技術」だけで、あなたは仲間になるでしょうか?
お金や自分の時間を掛けよう(分けよう)と思うでしょうか?
仮に、その「技術」が世界一であったとして、ダサいロゴマークに読みづらいウェブサイトであったならどうでしょうか?

体感として、研究開発型ベンチャーの多くは技術者のみで構成されています。
彼らの仕事は技術を生み出すことであって、その素晴らしさを拡げる活動には長けていない。
ややもすれば、その活動を卑下することすらあり得る。しかし、それでは絶対に仲間は集まらないわけです。

乱暴でもブチ上げる

嘘をつくのはいけませんが、大風呂敷を拡げることで仲間を集める。
そのためにプロモーションにお金を掛ける。
ゲームやアプリ業界は資金調達のほとんどをテレビCMなど広告宣伝費に投じると聞きますが、乱暴な言い方をすれば研究開発型ベンチャーこそ、そうした資金の使い方が必要なのかもしれません。