中庸への回帰

ベンチャーキャピタリスト/山家 創(やんべ そう)のブログです。

ざっと「STEM」を知るなら『AI時代の人生戦略』と『日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術』

ベンチャーキャピタリストという仕事柄「STEM」は必須である。
今年の目標の一つも、この「STEM」の知見を増やすことだ。
そんな「STEM」をざっと知りたいときにオススメの二冊を紹介する。

STEMとは?

STEMとは、

  • サイエンス(科学)の「S」
  • テクノロジー(技術)の「T」
  • エンジニアリング(工学)の「E」
  • マセマティックス(数学)の「M」

を並べた造語である。
「技術」と「工学」の区別について、『AI時代の人生戦略』著者:成毛氏は"技術はツールをつくること、工学はそのツールを活かす方法"だと述べている。

日本に根付く「文系」と「理系」

私自身はSTEMという言葉を知っていたし、仕事柄「STEMは超大事」という実感をこれまでも持ってきた。裏を返せば、いわゆる「理系」への羨望があった。「文系」である自分へのコンプレックスというべきか。

日本には、この「文系」と「理系」という区別が根強い。これは日本の教育において、大きなマイナスであると思う。

例えば、大学を卒業して、社会に出て、営業という仕事に就くとする。
日本ではなぜかこの営業という仕事は、「文系の方が得意だ」という謎のレッテルが存在する。
文系でも営業が苦手な人はたくさんいるし、逆も然りだ。だけども「文系」と「理系」というカテゴリーに学生時代どっぷりと浸かることで、本来自分が好きなこと、得意なことを見失ってしまうのではないか。

そもそも、「文系」である経済学や経営学部は、「社会科学」という名の「サイエンス」なのだ。

とは言え、STEMをどう学ぶのか

「STEMは超大事」とは言え、30歳を過ぎて大学院で研究をするわけにもいかない。そこで大事なのは。成毛氏のいう「実感してから理解する」だと思う。

そもそも英語のスタディ(study)は、ラテン語のストゥディウム(studium)に由来している。その意味は「好奇心をもって没頭する」ということ。

実感すること、理解することには、楽しさが存在する。楽しく学ぶことが重要なのだ。

そこで浅く広く、今の世の中のトレンドとして技術を俯瞰するのに『日経テクノロジー展望2017 世界を変える100の技術』は適している。内容が薄すぎると思う箇所も多々あるが、まずは100の技術を知るというスタンスだといい。

例えば、僕であれば、以下のような技術に興味をもった。

興味を持った技術について、より深堀する読書をすれば、それだけでも成長感があると思う。

有り難いことに、僕は仕事柄おおくの技術に触れる。それ故に、技術が社会にどう実装されるのか、実感を持ちやすい。
だけれども、その先に求められるのはSTEMを組み合わせて活用する手腕であり、思考回路だ。それはまた別の手段で身に付けねばならないだろう。